警察官
警察官は地域住民の生命や身体を守り、その財産を保護したり、地域社会の秩序を維持したりして、
みんなが安心で安全な暮らしが出来るように働いています。
今回は、そんな警察官について説明致します。
警察官について
警察官は、国の機関である「警察庁」に勤務する国家公務員と、都道府県の機関である「都道府県警察」で働く地方公務員の一般職の二つに分かれますが、ここでは主に後者について説明していきます。
まず、警察官のほとんどは「都道府県警察」勤務でひとつの都道府県の担当地域で発生した事件の調査、解決に当たります。一方、「警察庁」で働く警察官は、より広い地域で発生した犯罪や災害に対し、それらに関係する都道府県の警察をまとめ、事件を解決に導くまとめ役として働いています。
そのため「都道府県警察」の警察官はより地域に密着した仕事を行います。例えば、交番で働いたり、パトロールや交通取り締まり、交通事故の処理、刑事事件の捜査や鑑識等の様々な業務を全般的に行ったりしています。一般には採用後、最初は交番勤務から始め、その後、希望や適性にあわせて刑事課や交通課等の専門部署に配属されます。
都道府県警察の仕事内容
●地域警察部門
地域に密着した仕事を行っており、交番や駐在所もこの部署に所属します。110番通報の対応や道案内、職務質問、任意同行、パトロールなど様々な仕事があります。
●生活安全部門
生活に身近な犯罪に携わり、ストーカーや悪徳商法のほか、少年の非行についても、この部署が担当します。家庭への呼びかけ活動や学校での講習等を行い、犯罪が未然に防ぐべく様々な活動をしています。
●刑事警察部門
強盗や盗難や詐欺、薬物に関わる犯罪、殺人等の事件に携わります。事情聴取や聞き込み、張り込みや尾行、取り調べ等、テレビの掲示ドラマでよく見る仕事を行っています。
●交通部門
速度違反や運転中の携帯電話の使用や一時停止違反等の取り締まりを行っています。交通規制の周知や交通安全指導も行います。その他、暴走族対策や交通事故の捜査もこの部署の仕事になります。
●警備部門
国会や官庁、空港、祭やイベント等でテロやゲリラが行われるのを防止するために警備をしています。この他、要人の警備や災害時の救助活動等も行っています。
●総務・警務部門
警察官が仕事に安心して取り組めるよう労働環境を整え、総務や会計等の事務仕事、福利厚生、広報等を行って警察組織を支えています。事件で手助け等の応援要請があった際には駆け付けます。
以上の他、地域ごとに、地域部や公安部等、独自の部門が見られる場合もあります。
警察官として求められる人材
警察官は犯罪の取り締まりが主な仕事内容となるため、当然、正義感の強い人に向いています。なお組織内での指揮系統は絶対的で、常に上司の命令を受け勤務に当たるので、規律を守る事は当然ですが、協調性や組織への適応力も必要になります。
また、犯罪を取り締まるために時として格闘が必要になる場面もあります。そのため、体力や機敏性も求められるでしょう。
なお最近の犯罪は、多様化、高度化してきています。ネット犯罪等、体力だけでは解決出来ない分野の犯罪が増え、最新の科学や技術が積極的に操作に導入されつつあり、そのような知識が豊富な人材も必要とされています。
なお日本での犯罪は日本人だけが関わるわけではありません。外国人が関係したり、複数の国家間で犯罪が起こったりすれば、英語のスキルが必要な場面も多々あります。語学力と国際感覚に優れた警察官も求められています。
警察官の労働条件
都道府県警察に採用されると、採用先の都道府県全域で働くことになります。一方、警察庁で採用されれば、全国の管区警察局や警察庁内部局で働き、全国に転勤があります。ちなみに警察庁勤務は全国の警察職員の中で最高位になりますが、階級はありません。
給与は警察庁の場合、初任給が大学院卒業で約24万円、大学卒業程度で約21万円。都道府県警察では、勤務する都道府県で年収が変わり、例えば警視庁(東京都の警察)では大学卒業で約24万円、短大卒業で約22万円、高校卒業で約20万円となります(2014年度)。警視庁以外の都道府県警察本部(大学卒業)では、19万円から21万円程度になると言われています。
その他、専門的な仕事や危険性の高い仕事には手当が付きます。例えば、鑑識等の専門的な知識や技能が必要になる業務に携わると「特殊勤務手当」が支給されます。爆発物の回収・解体・爆破等を行う業務に携わると、「爆発物処理作業手当」が。銃器を使っての逮捕業務に携わると「銃器犯罪捜査従事手当」が支給されます。
勤務時間は配属される部署で違いますが、夜間勤務の部署も少なくありません。また、大きな事件があれば深夜や休日出勤の要請もあります。
警察官になるには
警察庁の警察官として採用されるためには「国家公務員試験」に、都道府県警察の職員になるためには各都道府県が行う「警察官採用試験」に合格する必要があります。
また受験が可能な年齢は、警視庁(東京都の警察)の「Ⅰ類」は、大学卒業程度で21歳以上30歳未満。「Ⅱ類」は短大卒業程度で19歳から30歳未満の人が対象となります。「Ⅲ類」は高校卒業程度で17歳から30歳未満の人が対象です。この名称や区分については、都道府県ごとに違います。
試験では学科試験と実技試験が行われるため、日頃から身体を鍛えておくことが欠かせません。また剣道や柔道等の経験は有利に働きます。さらに、身体検査があり、身長や体重、視力、色覚、聴力等、基準を満たさないと合格出来ません。しかし、警察官採用試験に合格しても、すぐに警察官にはなれません。採用候補者名簿に名前を登録した後、警察学校を卒業しないと警察官になることは出来ません。
都道府県警察は都道府県内での転勤があり、時には駐在所に夫婦そろって居住する可能性もあります。駐在所には地域住民が訪ねてくる機会も多くなります。そのような生活をいとわない、社交的な女性との結婚をおすすめします。
また警察庁では国内全域での転勤があります。そのため、単身赴任を希望しない限りは、転勤先に付いて来てくれることを厭わない女性を選ぶ必要があります。
警察官は、土日祝日関係なく勤務することになります。また、夜間の勤務のある部署に配属されることもあります。そのため、不規則な生活になりがちな夫を支える覚悟が求められます。また、警察庁勤務の警察官には国内全域で転勤があり、都道府県警察は都道府県内での転勤があります。単身赴任を選ばない場合は、仕事を辞めてでも引っ越しをし、夫の仕事をサポートしなければならない可能性もある点を押さえておきましょう。