教員
日常生活で最も身近な公務員は学校の先生を思い浮かべる人が多いでしょう。
ただし、公立教育機関の教員は公務員ですが、私立の教育機関の教員は違います。
今回は、公立教育機関の教員について説明致します。
教員の仕事内容
●幼稚園教諭
人格形成や社会性を養う幼児期に幼児の創造力や協調性を養い、社会生活を送る上で必要になる決まりを教え、心身の健全な発達を促す事が仕事です。
音楽や運動、工作、食事のマナー等、様々な事を幼児に教えます。
活発に動き続ける子供たちを相手にしますので、体力が必要です。それらの業務に加え、1日の記録作成、翌日の準備、ピアノの練習等、日々、様々な業務があります。お遊戯会や運動会の前は準備のために残業が続きます。
●小学校教諭
小学校の教諭は、1年生から6年生までの児童に各教科を教え、ホームルームや掃除、給食等で生活面の指導も行います。基本的には、1人が全教科を担当することになりますが、家庭科や音楽等は専門の教員が置かれていることもあります。小学校は社会生活を学ぶ重要な場所、子供の将来にも大きな影響を与えます。
一人一人の個性を大切にし、常に冷静な指導を行う必要があります。
●中学校教諭
中学校の教諭は自分が専門とする教科を教えます。
もしクラス担任を受け持つとホームルームの時間に生活指導も行います。一般に中学生は思春期に当たり、非行やイジメ等の様々な問題があって生徒も扱いが難しい不安定な時期に当たります。また、高校以降の進路を考える重要な時期でもあります。
そのため多忙で責任の重い仕事だといえるでしょう。
●高校教諭
高校では社会と科目を一つ取っても、日本史、世界史、現代社会等と専門分野に分かれ、中学校教諭と比べ専門性がより高い教育を行う事になります。
また、普通教科だけではなく、学校によっては工業や商業等の専門教科があります。
高校の教諭はホームルーム等で生徒の生活指導を行うとともに、生徒一人一人の適性を考え、進路指導を行っていく重要な役割を果たします。
●特別支援学校の教員
養護学校・盲学校・聾学校の3つの学校を、特別支援学校と呼びます。
これらの学校で指導に当たる場合は、複数の教師で1学級を担当します。そのため全ての教師が担任を持つことになり、手厚い支援体制を整えています。その際は男性と女性の教員がともに配置され、着替えやトイレ等の支援は基本的には同性の教員が行います。
ただし、小学生の男子児童に関しては、女性の教員が面倒を見る場合もあります。ただし、男性教員が女子児童を見ることはありません。
●養護教諭
保健室の先生と呼ばれる養護教諭は、全校生徒の健康管理という重要な役割を果たします。
保健の指導も行うため、医学の知識も必要です。また他にも、伝染病の報告、健康診断の準備、健康調査等、様々な仕事があります。
近年では、心の病を抱えた子供たちのカウンセラー的な仕事にも携わるようになり、進路や人間関係、家庭の悩み相談も重要な役割となっています。
教員として求められる人材
「教育」という言葉には、子供たちを教え育てると言う意味があります。
人間の成長や発達に対する理解や専門的な教科の知識はもちろんのこと、教育を行う者としての使命感や責任感、深い愛情、豊かな人間性、時には冷静で客観的な判断力も必要になります。
教員になるには
教員になるためには、原則として学校の種類ごとに教員免許を取得する必要があります。また、中学校や高等学校の教員を目指す場合は、教科ごとに教員免許が必要です。
教員免許は大学等で必要な講義を受けて単位を修得し、教育実習で実際に授業を行わなければ取得出来ません。そして問題がなければ大学卒業時に免許状が授与されます。
しかし、教員免許だけで教員にはなることは出来ず、教員採用試験に合格する必要があります。この試験に合格すると晴れて教諭に採用されますが、不合格の場合も講師として勤務する方法はあります。講師をしながら教員採用試験の受験を続ける例も少なくありません。
教員採用試験の試験科目は地域ごとに異なります。多くは筆記試験で、一般教養と教職教養(教育法規等)、専門教養(国語の先生なら国語に関する内容)等の試験を受けます。さらに面接や論文、教科によっては実技試験も行われます。
採用後、最初の1年間は、校内外で、様々な研修を受けなければなりません。
さらに、教員免許を取得しても、平成21年4月以降に免許状が授与された場合は、免許状は更新制でその有効期間は10年間となっているため、更新の際には30時間以上の更新講習を受講して修了する必要があります。
特別支援学校の教員になる場合、教員免許の取得はもちろん必要ですが、特別支援学校教諭課程のある大学で特別支援学校教員免許も取得しなければいけません。採用試験は免許を取得し、特別支援学校教員の科目で受験をすることになりますが、免許を持っていなくても受験出来る自治体もあります。
また、普通学校教員の合格者が就職先に特別支援学校を選ぶこともありますし、普通学校で教員をしていた人が特別支援学校に異動になることもあります。
市町村立の学校であれば市町村内でのみ異動があります。
また都道府県立の学校は都道府県内で異動します。また夜遅くまで会議をする事もありますし、部活動や生徒会を担当すれば帰宅時間はさらに遅くなります。土曜日や日曜日も顧問をする部の試合等でゆっくり休む事が出来ないケースもあります。そのため、そんな勤務状況を理解してくれる女性との結婚がおすすめです。
教員の仕事は一般に考えられているよりも多忙を極めます。
部活の指導、試験前後の問題作りや採点、成績表の作成、進路指導等、疲れて帰ってくるご主人を理解しねぎらって上げる事の出来る女性が教員との結婚には向いています。
異動も少なくありませんが、市町村内もしくは都道府県内での異動ですので、共働きは行いやすいといえますが、都道府県立の学校の教員の場合は、僻地に異動となることもありますので、覚悟しておきましょう。